ベゴニアの魅力
ベゴニアとはシュウカイドウ科(Begoniacea) ベゴニア属(Begonia)の植物のことを総称して呼びます。
原種はオーストラリア大陸を除いたほぼ世界中の熱帯・亜熱帯地域に多くが分布し、日本でも西表島から石垣島にかけていくつかの原種が分布しています。熱帯、亜熱帯地域と聞くと高温多湿というイメージですが、実際はジャングルの密林の中の木陰であったり高地の涼しいところで、年間を通して寒暖の差が少ない温和な気候の場所に自生しています。
その原種は2,000種以上あると言われ、またその数倍もの交配種があるとされる非常に変化にとんだ一属でその容姿・性質によって8種類に分類されています。
球根ベゴニアと球根性ベゴニアの「ソコトラーナ」との交配によって作り出された園芸品種の総称です。出始めの頃は非常に弱い品種でしたが、旧西ドイツの育種家オットー・リーガー氏によって病気や暑さに強い品種が作り出されてから盛んに栽培されるようになりました。そのため、リーガース・ベゴニアとも呼ばれています。
鉢花としてほぼ一年中開花を楽しめます。
また室内の鉢花やコンテナとして広く親しまれています。
直立性の茎を持つグループのベゴニアを木立性ベゴニアと言います。スッと伸びた茎とシャンデリアのように咲き誇る花が特徴のベゴニアです。
地面に接した部分から根を伸ばす「根茎」という茎を持つことから根茎性ベゴニアと呼ばれます。茎が真っ直ぐに立ち上がらず、地面の上をはうように根茎が伸びて地面に接して這うか、よじのぼるかして分枝します。
根茎性ベゴニアの一種で、葉に美しい模様と色を持つ交雑種です。レックスと呼ばれる所以は初期の交配にヒマラヤ原産のベゴニア・レックスB.rex と言う原種を使ったことに由来しているのですが、根茎性ベゴニアとの区別は、一目で見分ける事は難しいです。
アンデス山脈原産の球根性ベゴニアを元に交配させて作り出された園芸品種の総称です。その名の通り球根を持つことから球根ベゴニアと呼ばれています。直立するスタンドタイプや下垂するハンギングタイプがあります。
とても豪華な花を咲かせる球根ベゴニアはベゴニアガーデンの主役としても有名な品種です。
地中に球根を作るタイプのベゴニアです。豪華な大輪の花を咲かせる球根ベゴニアの元になった品種でもあります。
ブラジル原産の野生種のセンパフローレンスをもとにして、色々の交配によって作り出された園芸品種の総称です。四季を通してよく開花するので、四季咲きベゴニアともよばれ、丈夫であるため夏花壇の材料としても有名です。
球根性ベゴニアのソコトラーナとドレーゲイの交配で作られた人工交配種です。この種をもとに品種改良が進められて、多くの品種が作出されています。クリスマス時期に園芸店に出回る事から、「クリスマス・ベゴニア」とも呼ばれています。
当園では、数多くあるベゴニアの中でも主にエラチオールベゴニアを生産しております。
何と言ってもエラチオールベゴニアの魅力は鮮やかな色彩にあると思います。20世紀に入ってから作出されたまだ歴史の浅い園芸品種なのですが、旧西ドイツの育種家オットーリーガー氏により目覚しい進化を遂げ、その後、ドイツ、オランダの育種家を中心に日進月歩進化を続けています。
また、2,000種もの原種が存在していると言われる様に色彩に限らず、花型、葉型、容姿も豊富であるという事も魅力のひとつかと思います。